有機JASってなんだ?!
弊社では生産者様と直接取引をしてきのこを仕入れさせていただきお客様に販売しております。
生産者様とは『栽培管理カード』などをやりとりし、どんな原木や菌床原料できのこを栽培しているのか、種菌の種類、部屋の清掃方法は、などの情報をいただき安心・安全なきのこをお客様にお届け出来るように気を配っています。
また社長や営業は機会をつくり産地を訪れて生産者さんの考えを聞いたり、圃場をチェックさせていただいています。
≪原木産地にお客様を視察にお連れした時の様子≫
だから・・・と言うわけでもないのですが、安心・安全の一つの指針のようになっている有機JASに漠然と興味がありました。
そもそも食品業界で働いていると有機野菜やオーガニック食品という言葉を聞く機会も少なくありません。
実際に有機JAS認証を取得して野菜を栽培している生産者さんにお会いする機会もありますし、お客様から『有機の商品扱ってない?』と聞かれる事もあります。
ただ聞きなれた言葉でも『有機ってなんだろう』と問われると、はてさて?
なんとなく農薬や化学肥料を控えて栽培した”安心安全なもの”だろうとは思うのですが、その定義は?
そもそもどうやったら取得出来るの?
そしてきのこ問屋やきのこ生産者さんは有機JASを取得出来るのか。
・・・ちゃんと答えられません。
そんな疑問を晴らすべく、先日日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会さん(通称JONA)が主催した講習会に参加してきました。
まずは有機JAS講習を受けてみよう
JONAさんの講習会は2日間みっちり有機について勉強します。
講習を受けると有機への理解が深まり、自分達が取得すべき認証がなんなのかもはっきりしてきます。
自分なりに覚えた『有機JASとは何か』と言うと・・・
『有機JASマークが貼りつけられた食品のこと』
この有機JASマークが無い限り有機○○やオガーニック○○などの商品名は付けられません。
有機JASマークを商品に貼りつけるには農薬や化学肥料、添加物についてなど厳密に定められている日本農林規格(JAS)に沿った栽培や加工を行い、登録認定機関(JONAさんなど)の検査を受けて『間違いなく日本農林規格に沿っている!』と証明し認定される必要があります。
日本農林規格(JAS)はいろいろな事柄がかなり細かく定義されていて、自分達の業務に関係するところをしっかり読み込む必要がありますが、大まかに言うと
・農薬や化学肥料に頼らない事を基本とし、土壌(きのこで言ったら原木やオガクズ)の力を最大限に発揮させて農作物を栽培する。
・環境への負荷を低減して持続可能な栽培方法を行う。
・食品添加物や薬品の使用を避けることを基本として加工品を製造する。
などが定められています。
原木椎茸栽培は有機栽培じゃないか
有機の講習を聞いていると、昔ながらの栽培方法を続けている原木椎茸農家さん達が頭に浮かびました。
自分達で近隣の山の木を伐採して栽培用のホダ木を作り、その木の力だけを使い椎茸を栽培します。
木は必要な分だけを伐り出し、毎年場所を変えて伐りすぎを防ぎます。
栽培には農薬も化学肥料も使いません。
そして栽培することによってどんどん椎茸の菌糸に分解されていったホダ木は森に返し、また新たな新芽の栄養となります。
まさに木の力を利用して農作物を生産し、自然の循環サイクルに沿って持続可能な生産方法を実践している、原木栽培は有機栽培と言えるのではと思いました。
来年、原木椎茸農家さんと協力しきのこで有機JAS認証取得を目指したいと考えています。
自分の勉強も兼ねて毎月有機について書いていきたいと思いますので、どうぞ来年もお付き合いの程お願いいたします。